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測定について

自分で測定する意味はなんですか?

放射線防護の大原則にALARAというものがあります。これは"As Low As Reasonably Achievable"の頭文字をとったもので、意訳すると「合理的に達成できる範囲で放射線被ばくをできるだけ低く抑えるべきである」となります。これを実現するためには、まず自分の置かれた状況をできるだけ正確に把握し、それに応じた対策をとる(線量の高い場所をできるだけ避ける・避難する・除染する)ことが必要です。この「自分の置かれた状況を実感をもってできるだけ正確に把握」するために自分で測定を行う意味があります。

 

(状態を把握するために)

福島県内においては行政機関や学校を中心にすでに多くの地点での線量測定が行われています。しかし、放射性物質の散らばり具合にはもともとムラがあり、さらに水の流れ等により部分的に濃い場所や薄い場所ができることも知られています。そのため、場所がわずかに変わるだけで放射線量も異なり、近所の測定点の測定値をそのまま自宅に適用するのは難しい面があります。まだ行政機関による全戸の個別測定は行われていないため、未調査の家屋では自宅の玄関先や室内の放射線量を測ったり、軒下や植え込みに放射性物質が集まっていないかの確認は自分で行う必要があります。時間の経過とともに状態が変化していることも考えられるので、以前の調査から長時間が経過している場合には再度測定することも有効です(「測定結果をどのように判断すればよいでしょうか?」も御覧ください)。

また、人の往来のある場所についてはかなり綿密な測定が行われている地域でも裏山など、あまり人の往来の無い場所の測定はされておらず、自分で測定することが必要になります。基本は「自分が測りたい場所を自分で測る」ためにご利用いただければとプロジェクトでは考えています。

 

(対策のために)

福島県内では徐々に除染活動が始まっています。詳しく記述されている南相馬市の作成したマニュアルには(敷地内の)「除染前測定(汚染マップの作成)」が必要であると書かれています。これらの用途に当プロジェクトの用意する線量計を活用されても良いかと思います。線量計の購入費用を節約し、除染に必要な機材や安全対策品の購入にあててください。

 

(実感するために)
放射線対策で最も怖いのは「慣れてしまうこと」です。これまで自分で測定をされたことの無い方は一度線量計を手にして「目に見えないけれどそこにある」ことを実感されてください。どこがどれぐらいの放射線量であるかを実感していただければ行動の見直しによって被曝線量を減らすことができるかもしれません。

また逆に、自分の家の放射線量が思ったより少なければ少しだけ安心する要素になるかもしれません。

なぜ、1メートルの高さで測定をするのですか?

安定した測定を行うためです。また、他の測定も含め1m高さでの測定が事実上の基準となっているためです。

低い位置での測定は狭い範囲の放射性物質の濃淡を把握するのに有効です。しかし一方でわずかに場所が変わっただけで数値が大きく変わってしまい、その場所のおおまかな状況を把握するのには向いていません。そのため、まず1m高さでの測定を行うことをお勧めしています。

また、公的機関の測定では1m高さでの測定が必ず行われています。測定器が異なるために結果の直接の比較を行うことはできませんが、条件が異なると目安としてみることもできないので高さをあわせて測定することが必要です。

低い位置での測定を行う場合でも、先に1m高さでの測定を行っておき、両者を比較することでその場所に放射性物質が集まっているのか、逆にその場所には少ないのかが判断できます。

ガイガーカウンターを袋に入れるのはなぜですか?

放射性物質が本体に付着するのをふせぐためです
線量計を地面に直接置いてしまうと放射性物質が機器に付着してしまうおそれがあります。機器に放射性物質が付着するとそれ以後はその放射性物質からでる放射線を検出してしまい、正確な測定ができなくなってしまいます(いつも高めの数値を示すようになってしまいます)。
これを防ぐためビニール袋で機器を保護しています。後に使う人が正確に測定できるようにするためにも内側の食品保存用ビニール袋に汚れをつけないように気をつけてお使いください。また、本プロジェクトでは定期的に保護袋を交換する予定です。

なぜ換算表が必要なのですか?

機器のもつクセ(特性)を補正し、正しい値に近付けるためです。

安価な線量計を買ってきたまま調整無しに使うと測定値が高めに出たり、逆に低めに出たりといったことが起こります(測定器が固有のクセを持っています)。
実際に私たちが調べたところ、お貸しする機種ではおおよそ0.3μSv/h以下では測定値が高めに表示され、逆にそれより放射線量が高い場所では低めに表示される傾向があることがわかりました。これらのクセの影響を少なくし、正しい線量値に近付けるために必要なのが機器に添付する換算表です。

換算表はより精度の高い線量計とお貸しする線量計を比較し、その関係を求めることで作成しています。なお、この線量計のクセは機器1台1台毎に異なっているので対応する換算表を使うことが重要です。

借りている間にわからないことが出てきたら質問できますか?

測定方法や機器の操作等、測定に関する疑問がでましたら,機器に付属のファイルに記載されているお問い合わせ窓口までご連絡ください。

 

結果の解釈等については「測定結果をどのように判断すればよいでしょうか?」の項もご覧ください。

空気中を漂っている放射性物質の量を測ることはできますか?

ガイガーカウンターで空気中を漂う放射性物質の量を測ることはできません。

現在、放射性物質のほとんどすべてが地面に落ちて吸着されており(あるいは物に付着しており)砂埃の舞い上がる強風時以外は空気中にはほとんど漂っていないことが別の調査結果から分かっています.

(より詳しい説明)

線量計で測った値は“空間線量”という用語で表わされるのが紛らわしいのですが、空気中にある放射線の量を測っているわけではありません。
空気中にある放射性物質は“ダストサンプラー”と呼ばれる専用の装置で測ります。文部科学省による調査結果によると、福島原発の近くの調査点でわずかな検出がある他は不検出が続いています。

体の外から放射線を受けること(外部被ばく)による影響の主原因であるガンマ線は周囲100~200mほどの範囲から線量計の検出部に届きます。そのため,地面にある放射性物質からくる放射線なのか、空気中にある放射性物質から来る放射線なのかを区別して測ることができません。上でも述べたように空気中を漂う放射性物質はほとんどないと考えられるため、実際には周囲の地面や物体の表面にある放射性物質からの放射線の合計を測っていると考える方が適当です.線量計の数値が上がったとき、(強風でもない限り)すぐに空気中を漂う放射性物質が増えたと考えるのは適当ではありません。